
お知らせ
2025.11/20
令和7年度 公開講座・第3回の開催のお知らせ
2025年度公開講座・第3回のご案内です。
文化財保存修復研究センターでは、文化財の保存修復とその継承や活用について考えるため、2014年から無料の公開講座を開講しています。本年度は「ここから生まれたスペシャリスト ~文化財を調べ、守る人たち~」をテーマに掲げ、全3回をオンラインで開催いたします。
テーマにある「ここから」とは、東北芸術工科大学を指しており、「ここから生まれたスペシャリスト」とは、本学の卒業生を意味します。彼らは現在も文化財の保存・修復や調査研究の現場で活躍しており、その専門性を社会の中で存分に発揮しています。
今年度の公開講座・第3回は『アンコール遺跡の保存科学』です。本学卒業生である河﨑衣美さんが、現場で培った知見をもとに、わかりやすくお話します。
主催:東北芸術工科大学 文化財保存修復研究センター
共催:山形県立博物館
◆第3回 公開講座
『アンコール遺跡の保存科学』
【講師】河﨑 衣美 奈良県立橿原考古学研究所/客員研究員
【日時】2025年12月13日(土)14:00~15:30
【参加費】無料
【参加方法】WEB会議システムZoomによるオンライン開催、事前申込必要。
【申込方法】こちらの申し込みフォームからご登録ください。
【申込締切】12月10日(水)※申込後、参加ZoomURL等をお知らせ致します。
《講座内容》
カンボジア王国の世界遺産であるアンコール遺跡(9〜14世紀)は、1992年に世界遺産に登録されると同時に緊急な救済を必要とする危機的な遺産にも指定されました。これを機に世界の国々が支援を申し出、現在では年間400万人もの観光客が訪れるアジア地域の重要な遺産の一つとなっています。日本国政府アンコール遺跡救済チームは最初期から支援に携わる機関として2024年に30周年を迎え、現在バイヨン寺院の調査研究と保存修復を実施しています。
講師の河﨑氏は、本学在学中から当該チームの「バイヨン寺院レリーフ保存」プロジェクトに参画し、レリーフの劣化要因の調査や保存対策の実践的研究を現在も実施しています。
本講座では、遺跡となった大規模石造建造物における、長期間に渡る保存対策研究について紹介します。そこには東南アジア地域ならではの課題や「稀有な独創性」と評されるバイヨン寺院特有の保存修復の難しさがありました。


