東北芸術工科大学 文化財保存修復研究センター
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3つのプロジェクト
採択までの経緯
プロジェクト
プロジェクト1
プロジェクト2
プロジェクト3
事業目的
システムの概念図
シンポジウム・他
 
プロジェクト2:地域文化遺産の再発見 地域文化遺産の再発見・再評価による新たな価値付けと 循環型保存・活用システムの研究

 戦後の高度経済成長による土地開発や工業化が進み、価値観が大きく変化したことにより、人々から見捨てられ・忘れ去られた文化遺産が、地域には数多く遺っており、また地域コミュニティが自助努力で細々と守ってきた文化財も少なくない。例えば、山形盆地に散在する山岳信仰「石造鳥居群」や蔵王山麓の山岳仏教遺跡「瀧山の三百坊」、山形市内に点在する商人達の「蔵」、最上川流域に遺り、北廻船による京文化との関係を示す「雛人形」や「紅花染」、である。これらの文化遺産は、かつては地域文化の担い手として大きな意味をもっており、地域の過去を語る証人として重要な存在である。

 本プロジェクトでは、山形の「石造鳥居」を中心に採り上げ、循環型の保存・活用システムの構築を目指し研究を推進する。このような文化遺産を再発見し地域における同種の文化財群を含めて再評価することにより、歴史的・文化的・宗教的・景観的など多方面から総体的に把握し新たな学問的価値の付与をおこなう。これには地域文化を正しく理解し、記述する上で大きな意義がある。つぎに、学際的なチームを構成して、石造鳥居の構造や劣化状況を把握し、保存修復方法の検討をおこなう。さらに、これら文化遺産の存在や価値を市民に公開して意識を喚起し、多世代の市民が参加した組織で持続的に保護・継承することにより、循環型の保存・活用の可能性を検討する。本プロジェクトにおいては、民俗学を基盤とした独自の視点で東北地方固有の文化の様相やその基層、列島文化の多様性やアジアとの関係を解き明かしてきた本学「東北文化研究センター(赤坂憲雄所長)」の協力も不可欠である。

 これらの研究に関連して、不可動文化財の3Dデータ計測による高度情報化や写真・ビデオ等による無形文化財のデータベース化や、関連する遺跡の発掘調査も研究課題とする。

研究者紹介
プロジェクト2
研究者名 所属・職 役割研究課題
学内
長坂一郎 文化財保存修復研究センター長・美術史・文化財保存修復学科(兼任)教授 地域文化遺産の再発見・再評価と保存・活用システム
研究課題鳥居に関連するアジア美術の学術調査・再評価
藤原 徹 文化財保存修復研究センター・美術史・文化財保存修復学科(兼任)教授 地域文化遺産の再発見・再評価と保存・活用システム
研究課題山形盆地に遺る石造鳥居群の保存状態調査・修復計画、最上川流域の雛人形の状態調査
半田正博 文化財保存修復研究センター・教授 地域文化遺産の再発見・再評価と保存・活用システム
研究課題東洋絵画・書蹟・古文書などの保存状態の調査
張 大石 文化財保存修復研究センター・准教授 地域文化遺産の再発見・再評価と保存・活用システム
研究課題プロジェクト・リーダー山形盆地に遺る石造鳥居群の保存状態調査・修復計画、不可動文化財(鳥居・窯跡・炉跡遺跡)の3D計測
岡本篤志 文化財保存修復研究センター・嘱託研究員 彫刻・工芸作品、石鳥居、石橋、建造物等の三次元計測とデジタルアーカイブ等
研究課題地域文化遺産の三次元計測技術等による保存・活用システム研究
内藤正敏 大学院・教授 地域文化遺産の映像による保存・活用システム
研究課題写真による文化遺産の地域還元
加藤 到 情報デザイン学科・准教授 地域文化遺産の映像による保存・活用システム
研究課題地域文化遺産の映像記録の作成と地域への還元
増澤文武 大学院・客員教授(NPO・日本文化財保存機構理事) 地域文化遺産の再発見・再評価と保存・活用システム
研究課題石造鳥居の保存状態調査・修復施工計
学外
西浦忠輝 国士舘大学・教授 地域文化遺産の災害予防研究と持続的保存・活用
研究課題地域と地域文化遺産を災害から守る防災対策
尾立和則   地域文化遺産の災害対策研究と持続的保存・活用
研究課題被災歴史資料・文字資料への緊急対応
荻原秀三郎 民族学研究者 アジア信仰史的視点による鳥居についての考察
研究課題地域文化遺産のアジア信仰史的視点による再発見・再評価
田川新一朗   地域文化遺産の再発見・再評価と保存・活用システム
研究課題石造鳥居の保存状態調査および保存修復技術
宮本長二郎   地域文化遺産の再発見・再評価と保存・活用システム
研究課題山形盆地に遺る石造鳥居群の建築学的調査
長谷川文雄   地域文化遺産の映像による保存・活用システム
研究課題地域文化遺産の映像デジタルアーカイブ創製
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