東北芸術工科大学 文化財保存修復研究センター
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プロジェクト1:山形・東北から世界へ 地域自治体・文化財関連施設等との密接な連携・協力による地域文化遺産の循環型保存・活用システムの研究

地方公共団体・文化財収蔵施設(美術館・博物館・図書館・資料館等)・地域コミュニティ(寺院・神社・集落等)等地域社会の実状や地域文化の特徴を把握した上で、当センターが文化財担当者・管理者と密接な連携をとり、地域文化遺産の保存状態・環境調査、修復処置、適切な持続的保存方法を計画、さらに公開・展示などの活用方法をも含めて相互に考え、協力・実践していく新たな試みである。

 ともすれば地域に埋没しがちな担当者等の意識を喚起し、専門的な知識・経験において少なくとも国内標準へ近づける必要がある。同時に、市民が専門家とともに文化遺産を考え、学び、歴史的・文化的な自覚を高めつつ事業へも参画する機会をつくり、地域からの情報発信と地域づくりを促す市民運動の展開の可能性を模索する。さらに文化遺産(遺跡・史跡や埋蔵文化財を含む)や文化財関連施設を点的な存在から面的な広がりへ捉え直し、景観や周辺環境を含めて総体的に保存・活用できるようなシステムを構築する。同時に地域の専門家・経験者の知的集合体【山形県文化遺産保存・活用研究ネットワーク】の形成にも着手する。これらにおいては、アジア近隣諸国の類似で豊富な経験も参考にしなくてはならない。

 一方、地域の文化財資料・作品の学術的価値を美術史・歴史学・考古学研究者が協力して調査し、積極的かつ持続的保存・活用の対象とすべき資料を抽出する研究を進める。さらに当該資料の保管環境、材質・構造、劣化状態、修復材料・方法などの調査・分析を、最先端の理化学的装置・機器を導入して実施する。さらに実際の修復処置をおこなった上で、将来にわたる保管方法・環境などを設定する。その際には、大学所有の現有科学機器・装置・設備に加え、今回導入予定の最新装置・設備が不可欠である。

 具体的案件としては、岩手県大槌町教育委員会との連携による埋蔵文化財保存・活用の総合的研究、山形市教育委員会との連携による埋蔵文化財/歴史資料の調査・保存・活用に関する共同研究、米沢市立米沢図書館と連携による旧藩校「興譲館」の蔵書や上杉家伝来古文書の保存・活用研究、山形県川西町掬粋巧芸館の活性化研究、山形大学附属博物館との文化財調査・共同研究、高畠町教育委員会との埋蔵文化財調査・保存に関する共同研究を計画している。これらの研究に関連して、文化財収蔵施設における保存・展示環境の理化学的調査と改善策についても研究テーマとして採り上げる。

研究者紹介
プロジェクト1
研究者名 所属・職 役割研究課題
学内
藤原 徹 文化財保存修復研究センター・美術史・文化財保存修復学科(兼任)教授 地域における美術館との連携による美術作品の持続的保存・活用システム
研究課題プロジェクト・リーダー地域の彫刻・工芸等の保存修復、可動文化財資料の3次元計測
半田正博 文化財保存修復研究センター・教授 地域における博物館・図書館との連携による絵画の持続的保存・活用システム
研究課題東洋絵画・書蹟・古文書の修復、韓国、中国・台湾文化財機関との連携
米村祥央 文化財保存修復研究センター・美術史・文化財保存修復学科(兼任)専任講師 地域における埋蔵文化財機関との連携による考古遺物の持続的保存・活用システム
研究課題出土木製・金属製遺物の保存修復、文化財材質分析技術、岩手県大槌町教育委員会との連携
張 大石 文化財保存修復研究センター・准教授 地域における博物館・図書館との連携による各種文化財資料の持続的保存・活用システム
研究課題伝世文化財(紙資料、石造彫刻など)の保存修復、韓国文化財研究機関との連携
手代木美穂 文化財保存修復研究センター・准教授 地方公共団体との連携による埋蔵文化財の保存・活用システム
研究課題岩手県大槌町教育委員会との連携、トルコ・アナトリア考古学研究所との連携
岡本篤志 文化財保存修復研究センター・嘱託研究員 彫刻・工芸作品、石鳥居、石橋、建造物等の三次元計測とデジタルアーカイブ等
研究課題地域文化遺産の三次元計測技術等による保存・活用システム研究
内藤正敏 大学院・教授 地域における文化遺産の保存・活用
研究課題映像による文化遺産の地域還元
田中哲雄 歴史遺産学科・教授 地方公共団体との連携による遺跡・遺構の保存・活用システム
研究庭園遺跡の学術調査・復元・保存
北野博司 歴史遺産学科・准教授(兼任) 地方公共団体との連携による遺跡・遺構・埋蔵文化財の保存・活用システム
研究課題山形県高畠町、藤島町における遺跡の発掘調査、出土遺物の調査管理
安發和彰 美術史・文化財保存修復学科・准教授 地域における美術館との連携による美術作品の保存・活用システム
研究課題絵画・彫刻美術の学術調査
三田育雄 名誉教授 地域社会と連携し文化遺産を活用した地域づくり
研究課題地域の実態調査や振興計画の策定調査
山畑信博 建築・環境デザイン学科・教授 地方自治体や地域コミュニティとの連携による地域文化遺産の保存・活用
研究課題文化遺産としての建造物の実態調査・活用方法検討
早坂 功 プロダクトデザイン学科・教授 地域社会と連携し文化遺産を保存・活用するための人材ネットワーク
研究課題伝統的技術の職人・技術者ネットワークの構築
学外
松井敏也 筑波大学・大学院・専任講師 地方公共団体との連携による文化財の保存・活用研究、文化遺産を通じた地域づくり
研究課題東北地方各自治体との連携と埋蔵文化財の保存、成果公開
元木幸一 山形大学・教授 地域における博物館との連携による美術作品の保存・活用システム
研究絵画・彫刻など文化財の学術調査による連携
岡田文男 京都造形芸術大学・歴史遺産学科・教授 地域における漆文化財の製作技術・保存修復
研究課題東北地方おける漆芸技法の系譜と漆芸品の修復技術
伊達仁美 京都造形芸術大学・歴史遺産学科・准教授 博物館との連繋による地域民俗文化財の保存・活用
研究東北地方の民俗文化財の保存状態の調査・修復
宇田川滋正   地域社会との連携体制の構築とそれに基づく文化遺産の保存・活用
研究課題関西地方における連携体制の事例調査
大村幸弘 トルコ・アナトリア考古学研究所・所長 地域社会との連携体制の構築とそれに基づく文化遺産の保存・活用
研究課題発掘調査、保存修復施設での学生・院生などのインターンシップ教育
二宮修治 東京学芸大学・文化財科学科・教授 博物館との連繋による文化財収蔵施設の環境管理・改善
研究課題収蔵施設における大気環境の化学分析
及川 規 東北歴史博物館・副主任研究員 博物館との連繋による文化財収蔵施設の環境管理・改善
研究課題博物館施設での大気環境の実地調査、文化財材質と有害大気との関係解明
新沼 仁 (株)日本無機結城工場副部長 博物館との連繋による文化財収蔵施設の環境管理・改善
研究課題有害大気成分の分析と除去方法の開発
田川新一朗   地域コミュニティとの連携による彫刻資料の持続的保存・活用システム
研究課題山形市内寺院・仏教界との連携、彫刻の調査・保存修復技術
宮本長二郎   地方公共団体との連携による遺跡・遺構・建造物の保存・活用システム
研究課題建築遺跡の学術調査・復元・保存
篠塚千恵子   地域における美術館との連携による美術作品の保存・活用システム
研究課題絵画・彫刻作品の学術調査
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