
文化遺産の持続的保存・継承には、地域市民が関心をもつことが絶対条件である。そのためには、公開による損傷・劣化のリスクを考慮しつつ、文化遺産を積極的に公開しなくてはならない。保存修復作業・埋蔵文化財発掘調査の現場公開、研究成果に関連した展覧会開催、プロジェクト意義や目的を説く講演会や研究成果シンポジウムの開催、研究報告書・紀要の定期的発行、インターネット・ホームページの充実、文化遺産と地域をつなぐ芸術祭の実施、写真や映像を使った地域文化遺産の紹介、などにより市民と文化遺産を接近させるとともに文化遺産の循環型保存・活用についての一層の理解を図っていく。また、3Dやバーチャル・リアリティによる高度情報化(IT)、ビデオ等による文化遺産のデジタルアーカイブ化により集積した情報を多くの市民が文化遺産に親しめ、商業にも活用できる形に加工し公開を促進する。