2009年11月09日
文部科学省オープンリサーチ整備事業(平成17~21年)
シンポジウム「高畠石の歴史と未来」
主催:東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター
共催:高畠町教育委員会、山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館
■ 趣旨
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地域には長い時間をかけて人々が自然と一体となって作り上げてきた景観があります。山形県高畠町は凝灰岩を基盤とする丘陵に囲まれ、ここから産出する「高畠石」はこの地に人々が定住をはじめた1万年前から、貴重な石材資源として住民の暮らしを支えてきました。高畠石にまつわる歴史遺産は、現在も町のあちこちに姿を残し、日常の風景のなかに歴史の記憶をたどることができます。
日本では古墳時代に本格的な凝灰岩の石切りがはじまり、現代までその技術が脈々と受け継がれてきました。日本の近代化を支えた石材産業もいまは機械化が進み、安価な輸入材が世の中を席巻しています。生身の人間が石とたたかう人力による石切りは、時代の役目を終え、この高畠の地で終焉をむかえようとしています。伝統技術の現代的な意義を見つめなおすという意味からも、高畠石の歴史を再評価してみる必要があるように思います。今回のシンポジウムでは、地域とともにあった高畠石1万年の歴史を振り返り、先人から受け継がれてきた遺産を次世代にどう継承していくのかを考えます。
本シンポジウムは、東北芸術工科大学文化財保存修復研究センターが文部科学省私立大学オープン・リサーチ・センター整備事業(平成17~21年度)「地域文化遺産の循環型保存・活用システムに関する総合的研究」の一環として、高畠町教育委員会とともに行ってきた考古学的調査の成果に基づいて行うものです。
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■ 日時
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2009年12月6日(日)10:00~16:30
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■ 場所
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山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館
住所:山形県東置賜郡高畠町安久津2117
TEL :0238-52-2585
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■ スケジュールと内容
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・講演会
10:00~10:05 主旨説明
10:05~10:50 「高畠石の歴史と文化」
佐藤鎮雄(山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館館長)
10:50~11:20 「高畠石と古墳文化」
北野博司(東北芸術工科大学准教授)
11:20~11:50 「高畠石と石造文化財」
井田秀和(高畠町教育委員会専門員)
昼食
13:00~13:30 「高畠の石鳥居」
張 大石(東北芸術工科大学准教授)
13:30~14:15 「石切丁場の風景-矢割りと溝掘り」
冨田和気夫(石川県金沢城調査研究所主幹)
14:15~14:45 「三次元測量データとその活用」
岡本篤志(東北芸術工科大学研究員)
休憩
・パネルディスカッション
15:00~16:30 「高畠石の遺産をどう継承するか」
コーディネーター:北野博司
パネラー:佐藤鎮雄、井田秀和、張大石、冨田和気夫、岡本篤志
引地兼二(高畠町石材工業組合代表)
古川和夫(昭和縁結び通り振興会専務理事)
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【問い合わせ】
東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター
023-627-2204
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