東北芸術工科大学 文化財保存修復研究センター
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2007年12月26日
東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター
プロジェクト②:『地域文化遺産の再発見・再評価による地域文化遺産の循環型保存・活用研究』
平成17~21年度文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業

平成19年度鳥居写真展

空飛ぶ鳥居-俯瞰視野による日本最古の石鳥居群の姿
鳥居が空を飛ぶ!
地域文化遺産の現状と未来の俯瞰を目的とし、山形に残る日本最古の石鳥居群と地域の展開空間を飛ぶ。
飛行ルートは地域の自然と生活空間そして文化遺産。
この飛行は地域文化創造のキーワードとなる、
「何処に何が如何に在るのか」という認識共有へとつながっていく・・・。


主催:東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター

■ 日付
  2008年01月07日(月)~1月31日(木)10:00~17:00
■ 会場
  東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター4階展示室
■ 入場料
  無料
■ 主催
  東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター

■ ギャラリートーク
  ○第一回目:1月9日(水)18:00~20:00
「究極の空間と至福の時間を結ぶ―山形における端山と鳥居信仰」
 講師:千歳 栄(株式会社千歳建設会長)

○第二回目:1月16日(水)18:00~20:00
「庄内+村山+置賜の地域間交流のシンボル―六十里越え街道を行く」
 講師:松田 憲州(岩松寺住職・西川町役場)

■ 主旨
   地域文化の創造的未来づくりは、「何処に何が如何に在るのか」という認識から始まる。このキーワードなくして地域の自主性に基づく文化遺産の保護活用は説得力を失う。しかし、開発や急激な社会変動にともなって地域の文化遺産は空間性を失い、さらにはその存在自体が危うくなるケースが増えつつある。こういった状況を同じくするものとして山形に残る日本最古の石鳥居群がある。開発や社会変動にともない、この凝灰岩製の石鳥居群は経年劣化と「記憶の風化」を受け、その本来的な価値の減衰と存亡の危機に処しているものさえある。例え国の文化財指定を受けたとしても境遇はそう変わらないのが現状である。このような状況を変える手たてとして、文化遺産の面的保存活用の視点が求められる。すなわち、文化遺産保護対象を従来の点ではなく、地域と一体化した連続的な面=地域空間のなかで保護活用を行う視点である。
 一方、地域空間(=郷土)とは日常生活が営まれる場として、自然風土に育まれた文化の堆積地である。この堆積された文化層すなわち地域文化遺産は、現代社会が見失いつつある固有文化の源(=原風景)として、掛け替えのない永続的な「宝」である。しかし、毎日の日常生活のなかではその「宝」を発見するのは難しい。当たり前すぎ、または近すぎてその「宝」が見えないからである。ここで、日常から埋もれた「宝」の在り処と価値を再発見・認識可能な、もう一つの視野が求められる。それは空から眺める「俯瞰視野」である。「俯瞰視野」によって個別的な文化遺産の価値は地域空間と一体化し、新たなる空間的価値の発見と認識へつながる。この地域空間をめぐる文化遺産の再発見・認識の連鎖こそ、地域のみなぎる魅力と活力を生み出す源泉であり、次世代に伝承されるべき心の風景(=文化的景観)を守る手立てとなる。
 こういった地域空間と文化遺産に対する「俯瞰視野」を獲得すべく、今年は「空飛ぶ鳥居」という小プロジェクトを立ち上げて活動を展開している。今回の鳥居写真展では今までの研究成果を交えて、「空飛ぶ鳥居」の活動内容などをご紹介させて頂きたい。


 
【申込み・問い合わせ】
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 023-627-2204
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